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![]() ![]() 『停滞ぎみの日本の国際化』 英語恐怖症?ミスコミニケーション?地域別柔軟対応の不足?
ステーン智子、リサーチ・スペシャリスト
私は、アメリカに移住して20年近くになりますが、最近まで、日本人の国際化に対する態度が多国と違ってきている事について、深く考える機会がありませんでした。遺伝学と科学技術政策の二つの博士号をアメリカで取ったにもかかわらず、恥ずかしい事に遺伝学の方の研究にばかり没頭してしまい、あまり母国の国際対応について気を止めていなかったからです。米国議会図書館 科学技術ビジネス部 平成13年に米国議会図書館で、ゲノム及び日本科学技術政策情報スペシャリストとして仕事を始めてから、徐々に日本の国際化が中国や韓国に比べて遅れを取り始めている事に気付き、とても驚きました。 バブル崩壊前の国際国日本はいったいどこへ行ったのでしょうか? 若い頃、東京やニューヨークなどの人ごみの中で、日本のビジネスマンが大きな声で「Japan is No. 1!」と言っているのを耳にして、よく恥ずかしい思いをしましたが、最近、その頃の日本の迫力がどこに行ってもほとんど感じられなくなりました。日本社会も成熟して、そのような言動を恥ずかしいと気づき始めた始めたのかもしれませんし、バブル崩壊後の経済の立ち直りに専念するので忙しく、過去の誇りをいまだ取り戻していないのかもしれません。しかし、私が若い頃に見ていた日本人と極端に違う最近の日本人の無気力さに、少し気の抜けた気がするこの頃です。 私は、米国議会図書館で唯一の日本人科学技術スペシャリストとして仕事をしているので、日本から政府及び企業関係の訪問者が後を絶ちません。もちろん例外も在りますが、日本の国際化の停滞はその両方でとても顕著に見られます。スポンジの様に、海外の技術を限りなく吸収し、優れた製品を輸出していた日本人でしたが、最近「ワシントンで技術講演などのプレゼンテーションの機会を設けますので講演しませんか」と招待すると「外国の人達に私たちの仕事は分かってもらわなくても結構です」ですとか、「英語での講演や、プレゼンテーションはお断りします。」などと、めったにないと思われる機会をお断りされる事が、再三あります。 また、少し勇気を出して、講演までたどり着く人ももちろんいますが、 講演の始めに「私は、英語が出来ないのでうまく話せませんが」などと不必要な前置きを入れしてしまったり、発表の準備が十分出来ておらず、講演の内容を棒読みしてしまい、聴衆に話しの趣旨が伝わらないという事も度々あります。また、質問が出ると、質問の内容が汲み取れず、的の外れた返答をしてしまう、というような事もよく見受けられます。この様な事が、若い世代だけではなく、国を代表する中堅以上のマネージメントクラスの人々に見られるのがとても残念に思います。バブル前の海外市場や国際事業の積極的な開発とは逆に、撤退または、海外進出規制をする企業や政府機関もかなり多い様なので、その様な時代背景が人々の行動に反映しているのかもしれません。 もちろん、数々の批判や妨害にもかかわらず、国際化を達成する企業もあります。自動車会社のToyotaが世界一の売上を今年示した事や国際化を念頭に入れた科学技術五ヵ年計画を押し出した事などはとても素晴らしい事だと思います。 私がこれまで見てきたところでは、海外で成功するかしないかの大きな違いは、企業や政府機関に関わらず進んで現地(海外)の声に耳を傾け、臨機応変に対応先にあった政策を進めようという姿勢にあると思います。前述のToyotaは、摩擦防止の一政策として現地採用を早くから始めた企業の一つですが、日本の企業や政府機関によっては、なかなか現地の状況が掴む事ができなかったり、またその努力を怠ってしまう場合も多い様です。国ごとに見ると、韓国や中国は、若い人材を積極的に欧米に送り、派遣国ごとにその国の政策を含めた情報を収集し、柔軟に企業及び政府の方針を変えてこういう姿勢が日本より遥かに進んでいるように見受けられます。この積極性が、日本の若い世代、及び中年代全体、さらに其れを支える企業や政府機関に欠け始めているのが残念です。 ここでわたしの関わった幾つかの分野の中で、上記の具体的な例として電子情報提供会社(database providers)のケースを一つご紹介します。 平成17年、私は、北米日本研究資料調整協議会(NCC)の電子情報委員会 (DRC) 委員長に就任し、日本の電子情報提供会社および政府機関とデータベースの海外使用促進のための交渉を始めたのですが、日本のこの手の機関が、これほどまでに柔軟性に欠けるとは、想像もしていませんでした。下記に示したURLの要望書を参考にして頂けると分かると思いますが、日本側は海外に対する情報提供に関する契約を交わす時かなりの制限を加え、それは他国の常識を超えるレベルにあると言う事がお分かりになると思います。代表的な問題点を幾つか挙げると、次の様な事があります。
(詳しい事は、下記のサイトをご覧下さい。 http://www.fas.harvard.edu/~ncc/drc/DRC%20Memo%20to%20Japanese%20Vendors%20Japanese%20Translation.pdf) もちろん、ここに述べた事は、私個人の主観的な見解が基礎になっていて、特に社会学的に統計を取った訳ではないので、読者の方々はまったく違う見解をもっていらしゃるかもしれません。この問題に関して、コメントを頂けたら、私も視野を広げる事ができると思います。この様なエッセイの場が、会話の場に変わっていくというのは素晴らしい事だと思います。 平成19年 水無月 Capital Hill, Washington DC |