『ささやかな日米交流』


「ささやかな日米交流」の実例を紹介します。

去年、日本から私の両親が来たとき、主人の実家へ連れて行きました。主人の母親は現役で小学校の先生をしているので、彼女のアレンジで、彼女の勤めている小学校へ両親を見学に連れて行くことができました。3年生がたまたま「日本」について勉強していたので、各クラスを回って、私が通訳となり、両親が生徒から日本についての質問を受けました。どのクラスでも「富士山に登ったことがありますか?」という質問があり、あるクラスでは、教室に置いてある日本の絵本を読んで訳してください、と言われたり、母がお箸の実演を見せて感心されたり。ちょうど感謝祭だったので、生徒の親がアメリカの感謝祭についての絵本を、ボランティアで子供たちに読み聞かせるプログラムを見学させてもらったり、両親にとっても楽しい思い出になったようです。

(匿名希望)


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


傍白

学校を舞台とする日米交流は例が多いですね。小学校、中学、高校あるいは大学や大学院でも、次代を担う生徒・学生が、日本に興味を持ち、好きになってくれるのは素晴らしいこと。日米交流の将来にとっても効果が高い「先行投資」になると思います。

日本から訪ねて来られたご両親にとっても、観光地のみならず学校の見学は、新鮮な体験になったのではないでしょうか。日本でも、生徒の親がボランティアで低学年生徒に本を読み聞かせることは行われているのでしょうか?

それにしても「日本」について学習していた時期とはいえ、日本人の来校を機会に次々と質問する米国生徒の積極性や、異なる文化や多様性を大切にする米国の教育現場が目に浮かびます。(奥 智之)



「ささやかな日米交流」の実例を紹介します。

毎週、日本人やアメリカ人の生徒達と茶道のお稽古をします。お点前の後半で、使用した棗や茶杓を拝見します。実際のお茶会では茶杓には既に銘が付いていますから、このような事は起こり得ないのですが、一応茶杓の銘“poetic name”を考える練習として毎週異なった銘を自分で考えて披露します。季節、歳時或いは禅の心を表すpoetic nameを付けます。初冬の寒さを感じ始めたある夕方のお稽古では、「霜夜」,「薄野」“Crescent Moon”,“Frosty Night”, “Returning Geese”などが出てきました。シンプルな銘にもその日の気持ちが反映されていて、ささやかながら心暖まるひと時です。

(匿名希望)


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


傍白

皆さん、「棗」の読み方、分かりますか? これは薄茶の粉を入れる木製漆塗りの容器のことだそうです。茶道には美しい日本語が沢山使われることを再認識します。寄稿にあるようなお茶会で、先生とお弟子さんが一緒に詩的な銘を考える時間と空間の美しさ。茶道には日本文化の繊細さや深さが凝縮されています。これをアメリカ人と分かち合っていらっしゃるとは、素晴らしいですね。(奥 智之)